第8回:Austinでの生活について

今回は、オースティンでの生活を、主にご家族連れやお子様連れの海外留学を予定されている方へ向け、紹介させていただきます。

皆さんは、「テキサス」と聞いてどんな風景と人々を想像しますか?日本では、サボテン、カウボーイから始まり、保守的といったものまであると思います。では、「オースティン」と聞いてどう想像しますか?日本での情報が少ないため、イメージできない方が多いのではないかと思います。実際のオースティンは、人々が温かく、他民族・多国籍で、安全で、近代的な都市機能と明るい色をした湖と丘の自然が調和した美しいところです。その特徴を下記にまとめます。

【温かい人々】

第2位 Friendliest People in "America's Favorite Cities," Travel &Leisure (2004) (※ #2, 2008)

とにかく人々が温かくて親切です。老若男女、みな笑顔で私達を受け入れてくれます。こちらでは、アメリカの他の都市で時々日本人が感じるような疎外感がありません。日本では「保守的」というと人種差別的な意味合いを含んでいて誤解されていますが、テキサスの方々は信仰深く、家族を大切にするという意味で保守的なのです。ですから、家族や子供に対しても本当に優しいのです。

一方で、オースティンは、とても「リベラル」な側面を持ちます。テキサスにしては珍しく共和党の支持基盤が弱いのです。街の中心にあるUTの存在が、アジア系、インド系、ヒスパニック系など様々な民族の方々を呼び、リベラルな風土を醸成しています。私もこちらに来て驚いたのですが、特にアジア系の方々が多いのです。ですから、日本人が歩いていても街の風景に溶け込めるので、とても心地がいいです。

また、UT関係者、企業派遣の方々など、日本人も多く、オースティン日本人会を通じて仲良くなります。(ちなみにこの会の幹事は、近年、McCombs MBAの生徒が行っています。) 私の妻と子供も、毎週、誰かしらと遊んでいます。

【素晴らしい住環境】

第2位 Best Paces to Live, Money (2006)
第2位 50 Best Places to Live, Men's Journal (2006)

アメリカの地方都市で、住まいが広くて安いということは共通ですが、オースティンの住まいは、同じ値段でも質がいいです。まず、McCombsのご家族連れの方々が住む月約600ドルクラス以上のアパートには必ずプールが付いています。さらに、月1,200~1,500ドルの家賃で、丘の上の絶景のアパートに住むことができます。実際に、ツール・ド・フランス連覇のランス・アームストロングやブルック・シールズがその辺りに住んでおり、最近引っ越しましたが、シェリル・クロウも住んでいました。その他にも、最近売り出し中のハリウッド女優が結構住んでいるそうです。同じ生活費で同じ住まいの質は他では考え難いのではないでしょうか。

また、この環境は子育てには最適です。私の赤ん坊は、東京の狭いアパートで歩く素振りもみせなかったのですが、こちらに移り住んで急に歩くようになりました。広くて、緑が多くて、空気がいいとそうなるのかもしれません。

【ハイテクでクリーンな100万人都市圏】

第3位 America's Most Innovative Cities, Wall Street Journal (2006) 
第5位 Cleanliness "America's Favorite Cities," Travel+Leisure (2004) 
第5位 Most Educated Cities in the U.S., US Census Bureau (2005)

オースティンは、必要なものが高度なレベルで揃っています。まず、食事に関しては、様々な価格帯のスーパー、雑貨店、レストランが、至る所にあります。日本食材・雑貨店もあり、日本の食材・飲料水・菓子は大体が手に入る上、最新の日本のテレビドラマのレンタルビデオもあります。家具屋が揃った通りもあり、IKEAはお隣のRound Rockに今月オープンします。レストランの数も豊富です。日本料理屋は十件以上あり、洒落たお店がダウンタウンに続々とオープンしています。また、日本人の美容師もいます。ちなみに、無線LANのアクセスポイント数は、全米で3位です。

ご家族連れ、お子様連れにとって一番気になる医療環境ですが、大きな病院からクリニックまで至る所にあります。外国人が多い環境のせいか、医師はとても親切で、今まで不自由したことはありません。

また、奥様の日常生活の環境も申し分ないと思います。UTは語学を含めた100以上の生涯教育プログラムを提供している他、各教会も無料で様々な教室を提供しています。ほとんどの場合、デイ・ケアが用意されていて、奥様が習っている間、お子様を預けることができる上、中にはお子様の年齢別(赤ちゃんも可)にケアしてくれるところも多いです。ここでも、海外の方々はとても歓迎されます。

【安全】

第5位 Safest Big City, Morgan Quitno's 13rd Annual Safest/Most Dangerous City Awards (2006)

気になる治安ですが、驚くほど良好です。このことは、全米で5位にランクされていることからもわかります。郊外のアパートでは鍵を掛けない方がいたり、車の鍵が壊れてかからないのに毎日バス停に車を停めて学校に通っているクラスメートもいます。私は、夜の6th Streetをベビーカーを押しながら時々歩きます。でも、クラスメートからは、『ここをアメリカだと思わないほうがいい。ここは特別だ。』と言われます。

【レクレーションの街】

オースティンは、音楽・ウォーターレクレーション・ゴルフの街としても知られています。

音楽については、ダウンタウンの6th Streetを中心に100以上のライブハウスがあり、昼は馬車などが通り、のんびりとした南部の趣を漂わせていますが、夜は、ロック、ジャズ、テクノ、ブルース、カントリーなどほぼ全ての種類を生で聴くことが出来る通りに変貌します。オースティン出身・在住のプロミュージシャンは多いですが、最近の有名な方では、グラミー受賞者ノラ・ジョーンズがデビュー前にここでプレイしていたそうです。また、毎年、全米最大級のイベント、Austin City Limits Music FestivalやSXSW(South By South West)が開催されています。

その6th Streetのすぐ近く、ダウンタウンの前には、Town Lakeがあります。ボートに乗って眺めるダウンタウンの高層ビル群はオースティンの自然と都会の調和を象徴しています。その北にはLake Austin、さらに北上すると、大きな水色の湖、Lake Travisがあります。その他にも、数多くのハイキング・コース、滝、鍾乳洞などがあり、家族で楽しめます。動物も、リスや鹿など、いたるところにいます。

ゴルフは、服部道子がUTにゴルフ留学していたように、とても盛んです。人口一人当たりのゴル場が全米で一番多いとされ、Barton Creek Resort & SpaのようなTOP 100のコースから、1ラウンド約20ドルのコースまで様々です。ちなみに、UTも素晴らしいコースを持っています。私個人がここで本当に素晴らしいと思うことは、都会生活を送りながら、子供に自然や動物を感じさせてあげることができるところです。

【気候】

年間平均気温摂氏20度と年間平均晴天日数300日は、景色と気分を明るくします。勉強が忙しい秋・冬・春を、暖かい気候と青い空の下で過ごせるので、気分が滅入ることはありません。これは、他州から来ているアメリカ人も言っています。夏は、摂氏30度を超え暑いですが、その頃に学校はありません。

お忙しいかと思いますが、万が一、お時間と金銭的余裕ができましたら、是非、こちらまでお越しいただき、ハイテクと自然が調和したオースティンを生で感じていただければと思います。

そして、皆さんと共に、McCombsで勉学・ネットワーク構築に励み、オースティンで楽しく生活できることを願っております。