Department of Marketingについて

専攻紹介

Marketing関連の専攻には以下の4つがあります。

マーケティングはMcCombsの看板プログラムの一つであり、多くの学生が専攻しています。特にStrategic MarketingというElectiveのクラスは非常に良くオーガナイズされており、マーケティング専攻の学生だけでなく、マネジメントやファイナンス専攻の学生にも有用で、幅広い学生が履修する人気授業です。

 

Strategic Marketing       

マーケティング専攻の生徒のみならず、他の分野の生徒からも人気の高いマーケティングの名物コース。

 

セグメント、差別化、ポジショニング、経営資源配布、価格設定、流通、プロモーション等のマーケティングの多彩なトピックを扱う。中でもMarkstratというシミュレーションソフトを使い、学んだ各種理論を実際に適用する機会があることが特徴。各チームは膨大な時間をかけてマーケットの分析を行い、経営資源配布や価格設定を通じて収益・マーケットシェアをチーム対抗で競うことになり、非常に盛り上がる。その他にも各トピックに関連したケーススタディ(市場規模を予測するバスモデル、ターゲティング等)を取り扱い、クラスでディスカッションを行う。この講義を担当しているMackie教授はアメリカ有数の食材カンパニーに勤め、南米部門のヘッドを務めたこともあるため、経験に裏付けられた説明には説得力があり、Take-awayも明確で、かつ授業の進め方も非常に優れている。

             

秀逸なのが、教授のフィードバックだ。ケーススタディのフィードバックには詳細な説明が付き、各課題項目に対する評価・コメントが与えられる。同様にMarkstratのプレゼン(マーケティングプラン)に対しても、ロジックの整合性、分析の深度という観点に加え、項目ごとに詳細なグレーディングコメントが付くので、自分(またはチーム)の弱点や改善点が明確になる。予習のための課題文献の分量はやや多く、ワークロードは高めだが、コース終了後にはあらゆるマーケティングのベースとなる考え方が身につくようにうまく設計されたコースなので、マーケティング志望でなくともぜひとも取っておきたいコース。

 

Pricing and Channels
Strategic Marketingで取り扱った価格戦略と流通戦略を掘り下げていくコース。

 

前半の流通戦略では、直接・間接流通の違い、カバレッジ、チャネル間の利害関係、流通網の発展経路等を学び、後半の価格戦略では、価格の上下限、知覚価値価格設定、需要価格設定、コストプラス価格設定、マークアップ価格設定、威光価格、価格差別化等を学び、実際にシミュレーションソフト(フロリダの各都市におけるレンタカーの価格設定)を使って、マーケットに応じた価格戦略による収益極大化について分析、議論する。その他にも、スタートアップカンパニーのゲストスピーカーの講演、ケースディスカッションなど、コースの構成はよく練られている。

                                                                             

特徴としては、Routes-to-Marketというフィールドワークがある。これは、実際に一つの商品を選択し、製造過程からどのような流通ルートを経て最終消費者の手に渡るのか、製造、卸売、小売にインタビューを行い、各プレーヤーの戦略、利害対立、力関係の問題について仮説検証を行い、最終的には流通の問題点を明らかにし、改善提案のプレゼン資料を作成することになる。実際に学んだ理論と実務の対比から、実世界での問題点・改善点を考えるいい機会となっている。

  

Analysis of Markets 

マーケティングのさまざまな定量的なデータ分析手法を学ぶFlex Coreの授業の一つ。損益分岐点分析、回帰分析、ロジット分析、クロス集計、コンジョイント分析、バスモデルを使った市場規模推定等、データ分析の基礎を学ぶ。宿題のワークロードが厳しい授業だが、Excelやモデルを駆使し、実際のデータを使って分析する機会が豊富にあるので実践的な授業と言える。教授の「やったことしか身に付かない」主義に基づき、授業は講義とその内容を取り扱宿題がうまく融合していて、理解しやすい。

 

Marketing Information & Analysis 

定量的にマーケット分析する方法を学ぶクラスで、Analysis of Markets を補完する。データ集計方法(インタビュー、サンプリング)から始まり、回帰分析、セグメンテーション、コンジョイント分析、因子分析等を、講義と4 度のグループプロジェクトと2 度の個人プロジェクトを通じて実践的に学び、定量的なマーケット分析の面白さを感じることが出来る授業。マーケティングでは「定量的」なものの見方と、「定性的」なものの見方のどちらも大切だが、説得力のある理由付けをするには「定量的」な観点からの説明がやはり大きな意味をなすと改めて感じることができ。また、担当する教授は学生とのコミュニケーションを重視していて、Happy Hourや教授の家に招待してくれたりと授業外の楽しみも多い。

  

Consumer Behavior 

Products, Services, Ideasの取得(Acquisition)、消費(Consumption)、処分(Disposition)に関わる消費者行動の理論を学ぶ授業。B2Cだけでなく、B2Bにも応用できる内容でとても興味深い。講義、身近な企業のマーケティング戦略を消費者行動の観点から分析するグループプロジェクト、そしてテストを通じて体系的に学ぶことが出来る。また、消費者行動の背景を勉強する過程でアメリカ文化についての理解を深めることが出来ること、教授がカウンセラーのバックグランドを有していて、人のタイプ別のマネージメント方法を学べることも大きな特徴。いくらマネジメントの理論を勉強しても、なかなか実践でうまくいかないと悩んでいる人は大きな収穫があるはず。

 

Marketing High-Tech Products

製薬・IT・ソーシャルメディアなどのHigh-Technologyに焦点を絞ったマーケティングの授業。新しい技術・製品・ビジネスをどのようにマーケティング・経営を行うかを毎回ケースで議論を行う。イノベーション・技術経営の観点も学ぶ。教授はHigh-Tech ProductsをターゲットとしたVCPrivate Equityでの実務経験が豊富で、話もウィットに富んで面白い。一方でプレゼンやWrite-upへのコメントでは、投資家の視点でフィードバックがされるため非常に有益である。各業界におけるビジネス規模や金額の感覚を理解できるようになる。マーケティングというとBtoCを中心にする授業が多いが、こちらはBtoBが中心を占める授業。IT・医薬・製造業等がBack groundでマーケティングを専攻される方は是非お勧めしたい。