Practicum体験談
体験談1 2007年
Austinに拠点があるという某大企業の知的財産管理専門子会社がプロジェクトの対象でした。依頼内容は、親会社のIntellectual Property(特許、社内利用ソフトウェア、ノウハウ等)についてまずはFinance的視点から財産的評価を行い、その後Marketing & Management的な視点から親会社の企業価値を最大にする当該資産の運用方法(外部に売却するとか、内部留保してライバル社の事業を妨害するとか)を検討、提案する、というものでした。
「そんな実践的なこと、できるの?」と思われるかもしれませんが、バックに現役のコンサルタントがしっかりサポートについてくれており、「データ取得依頼のメールを先方企業に送ったがレスポンスが遅くプロジェクト全体のスケジュールが遅延しかねない」等という細かい、しかし現実世界では非常に重要な課題にも丁寧に対応してくれました。単に「人手が足りないから社員の仕事を新しい手法や考え方を取り入れて手伝う」というのではなく、「その新しい手法を社内で継続的に実行出来る体制までを含めた提案」をせねばならないところにかなりの労力を要しましたが、最終的に「非常に現場に即した具体的な提案をしてくれた」と先方企業が評価してくれる提案をすることができました。ちなみに授業の成績は、先方企業とサポートコンサルタントの評価を基につけられます。
体験談2 2012年
某大手石油会社のある製品群のサプライチェーンについてのプロジェクト。他のアメリカ人5人、インド人1人とともに、自社工場から顧客納入先の間の2次倉庫の最適なロケーション及び顧客への料金体系を提言することが課題でした。また、プロジェクト管理を実践することも目的となっており、WBSやガントチャートを使いながらクライアントやチーム内で合意形成し、プロジェクトの進捗を管理していきました。チームとしては、Excel Solverをベースとした最適な2次倉庫の位置と顧客への請求価格を決定する最適化ツールを作成し、最終プレゼンではそのツールの解を元に2次倉庫のロケーションと料金体系について提言を行い、クライアントからは高評価を頂いきました。私自身はデータ分析や最適化手法と言った技術面でチームに貢献しながら、スコープ管理の難しさ、コミュニケーションの大事さといったプロジェクトにおける万国共通の課題を再認識できた点と、その中で契約に基づいたアメリカ人特有の割り切った姿勢も伺えて、アメリカでのビジネスの現場を知る上で有意義なプロジェクトだったと感じています。